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映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ

映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ

春と秋のハイブリッド映画

プリキュアの映画にはいわゆる春映画と秋映画という分類があります。

春映画とは番組開始から1~2ヵ月の新入りプリキュア+歴代プリキュアが共演するオールスター系の作品のこと。

一見豪華ではあるものの、登場人物の多さや作品ごとの設定差分などから大雑把なお話になりがちで、どちらかというとお祭り作品としての側面が強いです。

 

一方で秋映画とは番組も後半に差し掛かったタイミングで公開される現行プリキュア単独の映画になります。

こちらは春と比べてテーマを絞っている分お話が丁寧でよく練られている印象があります。

一概には言えませんが、作画やCG表現も春より秋の方が本気度の高さを伺えるクオリティであることが多いです。

 

で、この映画はタイトルの通りオールスター系ではあるのですが、枠としてはHUGっと!プリキュアの秋映画だったりします。

つまり秋映画のクオリティで作られた春映画というある意味最強の存在なんですね。

はっきり言って史上最高傑作で、今後もこれを超えるプリキュア映画はそうそう出てこないでしょう。そう自信を持って言える作品です。

 

公開前から築かれていた土台

さて最高傑作なんて大きく出てしまいましたが、お話が大雑把になりがちというオールスター系映画の弱点はどうなったのか?

実はそこに関して明確なアンサーを打ち出してるのがこの映画の強いところなんです。

 

そもそも何故オールスターだと大雑把になるのか、それは複数作品の共演なのでキャラ同士の出会いに尺を割かざるを得ないという点にあると思います。

ただでさえ数ある作品の変身や必殺バンクで時間を取られるのに、残された時間で敵を出して戦わせてとやっているとストーリーを深掘りする余裕がなくなるのはもう仕方のないこと。

しかしこのHUGっと!プリキュアという番組は15周年記念であることを武器に、映画に先駆けてテレビ本編で歴代プリキュア全員をゲスト出演させるという荒業を行いました。

これによって映画の時点でプリキュア全員が既に顔見知りという前提が出来上がっており、オールスター系でありながらお話もしっかり描くという奇跡的な両立を実現させたのです。

 

初代と並び立つ重みと独自性

また、初代プリキュアとの連名作品というのもある意味怖いところではありました。

歴史あるシリーズ作品に初代信者というのは必ずいるもので、プリキュアにおいても「初代が一番面白い」「初代が最強」「最近のプリキュアは生ぬるい」とかいう意見を見ることは珍しくありません。

もちろんそれは個人の意見なので構わないのですが、もし初代プリキュアがゲスト出演することでかませ的な扱いとなったら、それは現行プリキュアが叩かれる要因になりかねない……そういう類いの不安を抱きました。

 

が、そんな不安にも全て答えてくれるのがこの映画なのです。

冒頭から懐かしいBGMと現代の良作画で動き回る初代の3人、戦力的にも頭ひとつ抜けている描写、逆境を跳ね返すなぎさとほのかの絆……うーんこれは初代ファンも納得の活躍具合。

 

というかそのまま現行プリキュアの出番を食ってしまうのでは??という逆の不安も湧きましたがそれはそれで絶妙な塩梅で、現行には現行にしかできない活躍の場がしっかりと用意されているんです!本当によくできた脚本なんです!

もともと子育ての大変さに切り込んでいる番組ではあるんですが、それを中学生がやっているという事実に改めて向き合わさせる映画になっているんですよね。

大人だから刺さる部分もたくさんあるのでぜひ応援してあげて欲しい。

 

特に好きなのは前半のラスト、キュアエール再変身からの、元の姿に戻った仲間4人と言葉は交わさずに敵の方へ向き直って「行くよ!」とだけ声をかけるくだりです。

ここは何度見ても鳥肌を立てながら涙ぐんじゃいます。そんなの私のなりたい野々はなじゃない、最高の台詞です。推せる。

 

培われてきたCG技術の集大成

でだ、もうだいぶ長々と書いてしまったけどこの映画の真にすごいところはCGのクオリティにあるんですよ。

こればっかりは一度観てくれとしか言えないんですが、オールスターを秋にやるという意義の全てが最後の主題歌メドレー付き戦闘シーンに詰まっている。

これを見るためだけに映画を観て欲しいまであります。

 


『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』 本編のぞき見!~想い出の主題歌メドレー~ - YouTube

 

…というか公式チャンネルがちょびっと公開してるので貼ってしまう。この調子で全作品の全プリキュアが動くんだよ~すごいんだよ~

 

今やEDダンスでお馴染みのフルCGによるアニメーションは2009年のフレッシュプリキュア辺りから映画本編にも少しずつ使われていて、そのクオリティと尺の長さは年を重ねるごとにパワーアップしてきました。

その数年間の歩みがついに後半30分丸々CGアニメパートになったという事実にもう感動が止まらないわけですよ。

 

気を抜いていると前半のアニメ作画からCGに切り替わったことに気付かない程のクオリティ、プリキュア映画はここまで来ているんだよと声を大にして言いたい部分です。

これを劇場の大きなスクリーンで観れたことは間違いなく人生の財産だよ。いや本気で。

 

全人類に観て欲しい一本

映画お約束のミラクルライトを使った応援も他の作品とは一線を画した使われ方で、15周年記念作品の名に相応しい感動的なシーンになっています。

プリキュアを知ってる人にも知らない人にも本当にお勧めしたいこの作品。

まごうことなき名作です。